院長から

ふみの日(7月3日)に寄せて

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今、手紙の良さが見直されているとききました。少なくとも今50代以上の方たちにとって「手紙」とは、様々な想像をふくらませる言葉です。

昭和の時代、友人や知人との連絡手段と言えば、ダイヤル式の黒電話か郵便が主でした。郵便受けにたよりが入っているのを見つけた時の気持ちを何にたとえれば良いのでしょう。封筒を手にとったときにあて名の筆跡で差出人がわかること、心待ちにしていた手紙が来なかったときの落胆…郵便配達の人をひたすら待つ日…。誰にも多かれ少なかれ、郵便にまつわる思い出があることでしょう。

手紙の魅力のひとつは、日本の切手の美しさにもあります。往時は小学生から高齢者まで、切手のコレクションは大ブームでした。美術シリーズや国定公園シリーズ、蝶や虫、時にはオリンピックや万国博覧会、国際文通週間など、様々な意匠のものがあります。 自分の好きな切手を、小さな額に入れて楽しむ方もあると聞きました。

今わたしが長い間の「ハガキ友達」と楽しんでいること、それは古いコレクションや親の持ち物だった切手を消費すること。はがき料金63円分を在庫の少額切手で埋める楽しみを味わっています。やり取りを続けながら、互いにその切手が出た頃の記憶や時代背景を掘り起こしています。

郵便局の方は沢山の消印を押すのも手間でしょうが、時にはその手をとめてしまうような切手の美しさでお許し頂けるのではと思っています。