院長から

暗さの向こうに

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12月21日、一昨日は冬至でした。北半球では1日の昼の長さが最も短い日です。イエスキリストの誕生を祝う(誕生日ではない)クリスマスは、この日を境に徐々に昼が長くなることを知った古人(いにしえびと)たちが、明るい季節へと向かう12月25日と決めたのではないか?といわれています。

奥州市水沢の今年の冬至は「白」一色でした。14日の初雪が10cm以上積もり、「連日のこれほどの激しい降雪は県南内陸部では異例であり、積雪の記録は61cmに達した」と報道されました。上空の強い寒気団のため、冷えこみは緩まず、施設のひさしには一夜にしてつららが下がりました。これも例のないことです。大雪による悪路は大渋滞を引き起こし、デイサービス、ヘルパーをはじめとする在宅部の業務の運転にも多大な支障と危険をもたらしています。1日のうちに何度も運転業務に携わる職員は、目的地への到着時刻が予測できず、行き着くまでも文字通り「命がけ」だといいます。

この事態に、一瞬意識が「コロナ」から「大雪」になった方もあったでしょうか。見えないコロナウイルスには、まさに「徒手空拳」で立ち向かわなければなりません。一方大雪は、大変なことには違いありませんが、「雪かき」で目に見える結果を出すことができます。

雪は年末まで残るとの予報です。21日の夜中には、東日本大震災の余震とされる比較的大きな地震がありました。津波の心配をした方もあったことでしょう。この世界的な感染症や自然災害に、人間の英知や魂が試されていると思うのはわたしだけでしょうか。厳しい天候の冬至を迎えて「夜明け前が最も暗い」と言うことばを思い出し、今が「夜明け前」でありますように、と祈ったことでした。