院長から

喜びの調べ

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先月、盛岡で行われた小山実稚惠ピアノリサイタルに行って来ました。岩手県のコロナウイルス感染拡大の状況によっては、当日の公演中止も覚悟してチケットを購入したのでしたが、公演は無事に開催されました。

小山さんは国内外で名を知られたピアニストですが、仙台生まれの盛岡育ち、ごく短期間は水沢にいたこともあるというので、特にも岩手では人気があります。わたしは生演奏を聴くのが初めてですし、音楽を「聴く耳」には自信のない方です。それでも当日のピアノの音色の、演奏者のやさしさやあたたかさが伝わる音色には聴き惚れました。

演奏の合間に一度舞台の袖に戻り、マスクを着けて登場し、「昨年は年の始めから演奏活動が全くできなくなったけれども、7月を過ぎてからぽつりぽつりと活動を再開し、きょう故郷である盛岡で演奏できることが本当に嬉しい」と、喜びが全身から伝わってくる表情でお話をなさいました。席は感染防止のためにひとつおきに発売され、きれいな市松模様に観客が座っていました。その日の拍手は、誰もが感謝と励ましをこめたに違いありません。

小山さんは2月25日、水沢Zホールでの「震災後復興祈念『未来に向かって』」の第二部でピアノ演奏をするとのこと。リサイタル会場で呼びかけもあり、たて続けの「至福のとき」を味わおうと計画しています。