院長から

渡り鳥 北へ帰る

投稿日:

雪の日が続き、二月に入ってもそちこちの雪の山がなかなか消えずにいましたが、13日にはいっきに気温が上がり、道路の雪がなくなりました。あたたかい日が連続するとの天気予報に喜んでいたところ、深夜の地震です。奥州市は震度4でしたが、震源に近い宮城県、福島県各地は震度6強のところもあり、だれもが10年前のあの日を思い起こしたことでしょう。それに追い打ちをかけるかのような大雨と雪です。

大震災のあとの悪天候のニュースには、本当に胸が痛みます。阪神・淡路大震災の直後は、阪神地方には珍しい雪の日が続きましたし、東日本大震災の後にはこの水沢も「春の雪」に見舞われました。コロナ禍で人の心が衰えているところへの今回の地震、特に被害の大きかった地域の方々へは、お見舞いのことばが見つかりません。

先日、久しぶりに朝から青空がのぞいた日、ききおぼえのある声に空を見上げると、四羽の白鳥が一列になって飛んでいました。翌日は十数羽の長い列を見ました。この光景を「都会の人」に見せたいな、と思います。一昨年から、仕事で東京から毎月のように水沢においでの方がありました。訪問のたびに変化を見せる田園風景や西山の美しさを褒めてくださいましたが、とうとう見ることのなかったのが渡り鳥の飛行でした。いつかお見せしたいと思っているうちに昨年のコロナです。この冬は、東京から来ることもかなわなくなりました。地球の温暖化で岩手に白鳥が訪れなくなる日があるとも思えませんが、コロナ禍収束後の知人の水沢訪問が待たれます。