東京オリンピックも終盤に差し掛かっています。日本は既にメダル獲得数の最高記録を更新しましたが、それと並走するかのように、コロナウイルスの感染者数も増え続け、「祭」と「禍」双方の情報に、しじゅう心が揺れる毎日です。
今日は札幌で男子競歩が、7日と8日にはフィナーレを飾るマラソンが行われる予定です。50km競歩は、今大会以降は五輪から除外されるそうですが、残念ながらなくなってしまう種目がある一方で、華々しく注目を集める新種目もあります。この東京大会では「スケートボード」がそれでした。7月25日、TVでたまたま目にした「男子スケートボード ストリート」の中継から、わたしは目が離せなくなりました。
演技の持ち時間は40~45秒と短く、個々の技の難易度も、アップのスロー再生で、その上解説がないとよくわからないのですが、「なんだかすごいことをやっている」ことは十分に伝わります。また、放送中に驚いたことのひとつがその解説(者)の解説スタイルでした。「このトリックは『鬼ヤバい』っす」「〇〇選手は、練習でも『ゴン攻め』していて」等々。いっしょにTVを観ていた家人から「これ、なに言ってるかわかる?」と問われ、「ニュアンスはね」と答えました。実況アナウンサーも、内心はわかりませんが、自然に受け答えをしていました。この「解説」については、「斬新」、「単にヘン」、「肩ひじが張っていなくて楽しい」、「型破り」などなど、新聞やSNSでも大いに話題になり、やはり誰にとっても相当インパクトがあったようです。これまでのオリンピックでも、多くのアスリートが、記憶に残る多くの「名言」を残してきました。それぞれの言葉を聞けば、そのシーンや、それを語ったアスリートの表情が思い浮かんできます。今回のこの解説、そしてまだ10代の若きスケートボード選手たちの大活躍も、のちのちまで人々の記憶に留まるのでしょうか。
盛り上がりの一方で、まだ歴史が浅い新設種目ということもあり、「スケートボードってそもそも『競技スポーツ』なの?」という素朴な疑問を持つ方もいたようです。また、各種競技に「男女混合種目」が多く加わるなど、五輪競技のあり方も時代の流れとともに少しずつ変わっています。2024年のパリ大会は、「落ち着きを取り戻した世界」で、また新たなオリンピックの、そしてスポーツの楽しみを私たちに教えてくれる大会になるよう祈るばかりです。