院長から

わが家に「ダイヤモンドダスト」が

投稿日:

週明けの朝、玄関を開けると、外が文字通りきらきらと輝いて見えました。これがテレビドラマのワンシーンなら、主人公が「いま見えたものは何?」とばかりに目をつぶり、頭を振り、それからまた目を開くところです。わたしは一瞬、庭中に張り巡らされた蜘蛛の糸に、水蒸気がついて光っているのだと思いました。しかし、小さな無数の光は空中を舞っています。その時、「これってダイヤモンドダスト?」と気がつきました。まさにダイヤモンドの小さな粒が、空中をただよっています。庭先から駐車場までのたった数メートルでしたが、心の中では「すごい、すごい」と、まれな自然現象を自分の目で見たことに感動していました。

ウィキペディアによれば、ダイヤモンドダストとは「ある一定の気象条件のもとに、氷の結晶(細氷)が降る現象」を指すことばなのだそうです。よく似た現象に『氷霧(こおりぎり、ひょうむ)』があり、こちらは「小さな結晶が大気中を浮遊するもの」とのこと。どちらも一定の低気温で、かつ、風のない晴れた日に見られるとのことですが、そう言われてみると、わたしが見たのは「ダイヤモンド」がただよっていたふうであり、当日の天気からして、厳密には「氷霧」かもしれません。現象の名前はともあれ、ダイヤモンドダストを見た多くの人が「次は天使は降りてくるかも」と思ったことも誠にもっともと思われる、この世のものならぬ光景でした。

ダイヤモンドダストのことを「天使のささやき」と呼ぶことを、このたびはじめて知りましたが、「天使のささやきの日」とされている2月某日は、はからずもわたしの誕生日と同じ日という嬉しいおまけがつきました。