空を行く白鳥の姿も間遠になり、水沢の地にも本格的な春が訪れようとしています。日頃皆さまには何かとご支援を賜りありがとうございます。
さて、私芳沢茎子は令和4年3月31日をもちまして、特別養護老人ホーム福寿荘院長を退任することと致しました。平成19年4月1日、先代院長である芳沢紋子の後任として院長に就任して以来、まがりなりにも職務をまっとうできましたのは、役職員はじめ入所者様、利用者様、そのご家族、そして地域の方々や関係各位、沢山の方の支えのおかげと心から感謝いたします。
長い年月には「大雨の日」もありました。しかし、そんな時にはきっと傘を差しかけて下さる方があり、常に多くの方から励ましやご支援を頂きました。ときに困り事が生じても、結果として最善のかたちで収まることが多く、何か大きな力に守られているような、人の大切さ、人の心の温かさを知る年月でもありました。
東日本大震災のときは、多くの業者さんが「福寿荘のために」と、衛生用品や燃料、給食材料等を滞ることなく調達して下さいました。ある会社では福寿荘へ来るトラックのために、社員さん個人の車からガソリンを抜いて使用し、平時と変わらぬ配達を続けて下さったと聞きました。理事長がこのエピソードを思い返すときは決まって涙ぐみそうになり、「決して『感謝知らず』であってはいけない」と私たちに話します。
後任には現理事・副院長の佐藤慎太郎(満四十歳)が就任いたします。福原山荘は、施設長・千葉寛に代わり、内野誠(現福寿荘施設部長・満四十五歳)が就任いたします。施設の長が代わっても、岩手福寿会の理念を大切に引き継ぎ、「人」を大切にした施設づくりをしていってくれることを信じます。また、これを機に、従来の福寿荘の施設管理者の職名を「院長」から「施設長」と改めました。
私が院長として、皆さまから頂戴したご厚情に、改めて心から感謝申し上げます。これからは常務理事という新たな役職を拝命し、法人のために残る力を注ぐ所存です。今しばらくの間、これまで同様に勤務する所存ですので、今後とも変わらぬご交誼をどうぞよろしくお願い申し上げます。
終わりに常日頃ご厚情を頂戴しております皆さま方に、両新施設長に対し、私同様、あるいはそれ以上のお力添えを頂き、今後を盛り立てていって下さるよう心からお願いし、退任の挨拶といたします。