院長から

教会跡からメダイは出る?

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『キリシタン領土で「胆沢平野開拓の祖」とされる後藤寿庵の教会跡と言われる福原毘沙門堂の発掘調査が16日、水沢福原の現地で始まった(8月18日付 胆江日日新聞から引用)』。

言うまでもなく、水沢に寿庵がなければ、現在の水沢扇状地がこのような肥沃な土地にはなりえず、成ったとしてもその実現はかなり後年のものとなっていたことでしょう。昨年の暮れ、アフガニスタンで活動していた邦人医師である中村哲氏が現地で殺害された時、彼が医療活動に劣らず情熱を注いでいたのが、干ばつの地に水路を作り水を引く活動だったことが広く報道されました。現地の人を指揮し共に石を運ぶ姿に、寿庵を連想したわたしと同様の思いをお持ちになった寿庵顕彰会の方々もおいででした。

調査は発掘調査実行委員会のメンバーを中心に市埋蔵文化財センターの職員や、ときには一般市民も協力して行われるとのことです。もし今回の調査で教会跡を証明する何かが発見されれば、寿庵研究やキリシタン研究に新たな資料が加わることになりますし、もしかしてメダイ(メダル)が出るかもしれないと地元の歴史ファンのロマンをもかき立ててもいます。何かが出土したあかつきには、ローマ教皇様からの祝福があるかもしれないと考えるわたしの期待は大きすぎるでしょうか。

毎日どこにいても、だれの意識の中にもコロナが棲みついておよそ半年……。地域にあって、ふと非日常へ目を向ける――そんなひとときを味わうニュースでした。