「コロナに明け、コロナに暮れる」、今年2020年を語るとき、多くの方が枕詞(まくらことば)にしています。施設とて例外ではありません。昨年末、新型ウイルス出現のニュースが発表されてからの世界的な感染拡大は今なお衰えるところを知りません。各国の防御のための施策を翻弄するように、感染者数のグラフは大小の波形を繰り返しています。
施設入所者は今年の夏すぎから、コロナのおかげでご家族との面会が自由に出来なくなりました。本来沢山の方が参加する行事は、開催のしかたを工夫し、規模を縮小するなどして行ってきましたが、やむなく中止したものもあり、物足りなさが残ります。
10年前、わたしたちは100年に1度といわれる大震災を体験しました。その後今に至るまで、「これまで体験したことのないような」大雨、「50年に1度の」大雪、そしてこの年末は「何年ぶりかの」大寒波等、自然災害だけでもずいぶんと未曾有の出来事が起きています。そして言うまでもない、この新型コロナウイルスによるパンデミック。感染症のこれほどの世界的流行は、スペイン風邪以来百数十年ぶりということです。しかし歴史に照らしても、人は生きている限り、大災害、疾病、戦争、経済恐慌等に出会うと言っても過言ではありません。ただ、わたしたちの今いる時代にいくつかの出来事が重なっているということでしょうか
来年の節分は2月2日、立春は2月3日と知りました。春を告げる日が暦の上で1日早くなるのは125年ぶりとのことですが、そのことを無理に明るい兆しに結びつけたいわたしです。
この1年があっという間だったという人もあれば、緊張の連続で毎日が長かったという人もあります。わたしたちの戸惑いをよそに、自然はその歩みを止めず、四季の移ろいを伝えてくれます。
ほぼ1年間にわたる「コロナ感染予防対策」を今後も続けながら、制約の中での楽しみに光をあて、その先にある穏やかな日常が戻る新年であるよう祈ります。
今年1年、皆様から沢山のあたたかなお声がけを頂きました。ありがとうございました。良い新年を迎えられますことと、新しい年の皆様のご健康とご多幸をお祈りします。